500万円以上の工事でも、建設業許可がなく請け負うことができるケースがあるって本当?
うん、附帯工事のことだね。どんなケースなのか、具体的に見てみよう
附帯工事とは
建設業法で定められている、建設業許可がなくても請け負うことができる工事は2パターンです。
1つは軽微な建設工事、2つ目は附帯工事です。
附帯工事とは下記のいずれかに該当する工事で、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないもののことです。
附帯工事は500万円以上であっても無許可で請け負うことができます。
ただし、許可を受けた建設業に係る建設工事(主たる建設工事)と主従の関係にあるため、原則として附帯工事の金額が主たる建設工事の金額を上回ることはありません。
附帯工事の具体例
附帯工事とすれば、許可がなくてもどの業種でも請け負うことができるわけではありません。
ここでは、具体的にどのようなケースが附帯工事と認められるのかを事例を挙げます。
作業の内容 | 主たる工事(許可業種) | 附帯工事 |
室内の電気配線の修繕工事をするために行う壁剥がし・壁貼り工事 | 電気工事 | 内装仕上工事 |
建物の外壁工事をするために行う足場工事 | 塗装工事 | とび・土工・コンクリート工事 |
ビルのエレベーター設置工事をするために行う電気配線工事 | 機械器具設置工事 | 電気工事 |
駐車場の舗装工事をするために行う造成工事 | 舗装工事 | とび・土工・コンクリート工事 |
許可業種の工事に伴い発生する附帯工事
主たる建設工事を施工することにより別の建設工事が発生した場合は、附帯工事と認められます。
許可業種の工事を行うために必要な工事
主たる建設工事を施工するために必要となる別の建設工事は、附帯工事と認められます。
附帯工事に必要な人員
対応する建設業許可がなくても工事できる附帯工事ですが、主任技術者の配置が必要です。
主任技術者とは、施工工事に対応した資格を持っている者や10年以上の現場経験がある者のことです。
主任技術者を配置できない場合は附帯工事を行うことはできません。
建設業許可を取得している業者に下請け・施工させる必要があります。(建設業法第26条2第2項)
まとめ
附帯工事であれば許可がなくても何でも工事を請け負えると考えるのは危険です。
都合よく附帯工事と考えて工事を受注することは建設業法違反のおそれがあります。
また、附帯工事は建設業許可を取得するために必要な実務経験に算入できません。
附帯工事を行うかどうかは法律面だけでなく自社の経営戦略も見据えた判断も大切です。