建設業許可の専門用語の中でも、
【専任技術者・主任技術者・監理技術者・専門技術者】
の4つに関しては質問を受けることが多くあります。
この記事を読むことで、わかりにくい
【専任技術者・主任技術者・監理技術者・専門技術者】の
それぞれの違いや関連をしっかりと理解することができます。
主任技術者とは?
主任技術者とは、建設業法第26条に定められた工事現場の施工管理を行う技術者のことです。
建設工事の適正な施工のために、工事内容に合った資格や経験を持った技術者を配置して施工管理を行う必要があります。
建設業許可業者は、請け負った全ての工事に関して主任技術者を現場配置する必要があります
- 元請け・下請、請負金額に関わらず全ての建設現場が対象
- 500万円未満の下請でも許可業者は配置義務あり
建設業許可のない業者は配置の必要はありません
専任技術者と主任技術者の違いは?
専任技術者と主任技術者は、名前も似ているうえに求められる能力も同じなので混同しがちですが全く別物です。最も大きな違いは配置場所です。
勤務場所 | 職務内容 | |
専任技術者 | 営業所 | 負契約の適正な締結、技術面のサポート |
主任技術者 | 工事現場 | 進行管理、安全管理など現場監督 |
専任技術者は営業所へ配置の内勤に対して、主任技術者は工事現場配置の外勤です
専任技術者と主任技術者は兼任できる?
原則、専任技術者と主任技術者は兼任することができません。しかし、現実的には一人親方や少人数の会社などは工事が回らなくなるため、下記条件を満たせば兼任可能となります。
- 営業所と現場が近接していること
- 主任技術者が専任の必要がない現場
(3,500万円以上の工事or公共性がある工事or多人数が利用する工事や建築物でないこと)
一人親方や少人数の会社は大体が兼任しています
主任技術者の要件
主任技術者として認められる要件は基本的に専技と同じで、具体的には下記3つのパターンがあります。
- 専技として認められる国家資格を持っている
- 10年以上の実務経験がある
- 指定学科卒業+実務経験
主任技術者の要件は国家資格で証明するのが最もわかりやすいですが、
現場で働く個人事業主など勉強時間がとれない方もいます。
その場合、許可申請をする業種について10年以上の実務経験があれば
主任技術者となることができます。
この実務経験は、許可を受ける建設工事の技術上の全ての職務経験をカウントすることができます。
許可に関係ない業種やただの雑務、事務作業は職務経験に認められません
10年間の実務経験期間は複数業種の重複は認められません。どれか1業種のみの期間としてのカウントになります。
監理技術者とは?
特定建設業者が発注者から直接工事を請負う元請けで、4,500万円以上(建築一式工事の場合7,000万円以上)を下請け契約して施工する場合、主任技術者に代えて監理技術者を配置する必要があります。
工事内容が途中変更して4,500万円を超えた場合、
特定建設業者は主任技術者から監理技術者に変更しないといけません
専門技術者とは?
以下の場合には、主任技術者の配置が必要になります。
- 土木一式工事または建築一式工事を施工の際、「一式」の中に他の専門工事が含まれる場合
- 許可を受けた建設業に附帯する他の工事を施工する場合
この場合の主任技術者を「専門技術者」と呼びます
専門技術者の配置は具体的には下記3つのどれかのパターンになります。
- 主任技術者が資格を有する場合は専門技術者を兼務
- 同じ会社の中で資格を有する別の者を専門技術者として追加配置
- 専門工事または附帯工事に関して建設業許可を受けている専門業者に下請け
まとめ
今回は【専任技術者・主任技術者・監理技術者・専門技術者】の4つに関して解説しました。
専任技術者は建設業許可の要件で営業所に配置される内勤者です。
主任技術者は求められる人材レベルは専技と同様ですが、配置は施工現場となります。
監理技術者は一定規模以上の工事の場合に特定建設業許可業者に配置が求められます。
専門技術者は一式工事や附帯工事の際に配置が求められます。
それぞれの役割や求められる要件の違いを理解することで、
建設業許可や許可後の人材配置のイメージがつかめると思います。